以前、社会福祉施設で障害者の回復に勤めたことがカイロプラクティックへ進むきっかけに。そして勉学に励む中、ご自身が認識するカイロを越えた“本来のカイロの姿”を熟知する先生に出会い、国際基準の基礎医学やカイロプラクティック学を履修。3月、西宮から宝塚に移転してきた『たからづかカイロプラクティックオフィス』の院長・岡さんは開口一番「本当のカイロを知ってもらいたい」と強く語られます。
「カイロプラクティックといえば、マスコミなどで“ボキボキ鳴らす”など面白おかしく取り上げられたり、極論、日本だと“誰でもなれる”業種。2、3日の講習後すぐに開院している方もいるので、いささか怪しいイメージを連想されるかもしれません。しかし本来はまったく違います。カイロプラクティックとは“カイロ=手・プラクティック=技”といった言葉の通り「手技」によって痛みや不調を改善し、病気や愁訴の発生を予防するもの。科学的かつ安全な方法で骨格、筋肉、脳脊髄液の流れを調整したり、神経系統を中心に身体の恒常性の維持や自然治癒力の向上を促します」
病の要素は大きく3つに分かれるそう。ずれ・歪みなどの体の構造面、栄養面、そして一番大きく左右するのがストレスの多い現代社会における精神面。痛みや不調はその箇所に原因があるとは限らないそうです。例として、首・背中・腰を中心に体全体が痛み、病院へ通っても一向に良くならなかった女性は身内のご不幸などの精神的なダメージが最も大きな原因だったそうです。また、腰痛は腰でなく足が原因になっている場合が多いそう。ファッション優先の靴が多くなった結果、地面がどんな状況でもまっすぐに立たせようと働く足首からつま先の無数の筋肉の動きが制限されたことが大きな要素に。他には、交通事故によるムチウチやめまいなど。これらは3つの要素が複雑に絡んでいるそうです。まずは外傷による構造面。そして「ぶつかられた」などといったストレスが内臓へ働きかけます。回復させるホルモンのバランスをとる反面、最もストレスに弱い副腎。回復させようとしているのに精神的ダメージが逆の働きをすると副腎はおかしくなります。外に出ると眩しく感じたり、回復しているのに痛みだけが残るなどの症状が出る場合もあります。ですから、病院での引っ張る治療は治そうとしている筋肉を無理に伸ばし回復を遅めるなど、かえって悪循環をもたらす可能性もあります。
施術はもちろん真のカイロプラクティックの啓蒙にも励まれる岡さん。細かなことまでもしっかりと問診した上で検査、処置、説明とかかる施術は本当に信頼できるもの。「確かに整形外科の先生はレントゲンに写る骨に関してのエキスパートかもしれません。しかし、私のところへ来られる患者さんは、まず保険機関を利用して治らなかった方々がほとんど。医学的にまだまだ発達していない、レントゲンでは写らない部分、すなわち筋肉や精神のバランスを整えるのが私たちの役目です。カイロプラクティックとは種のない“魔法”ではなく、しっかりと根拠に基づいた種の有る“手品”。原因の追求が最も大切なのです」。
痛みや苦痛が無い施術、そして時折体の中で何かが流れるような感覚がとても爽快です。
大人がよく“転ぶ”理由
運動会シーズンの秋口。以前ニュースにもなっていましたが、親子競技のリレーなどでは親御さんがつい張り切り、転ぶことも多いそうです。では何故子どもはあまりこけないのに大人は転ぶのでしょうか? 順立てて説明します。まず、歩く動作は、かかとから地面に着き、次に全体、そしてつま先の繰り返し。速めたのが走る動きです。一連で最初にかかとを着くには、つま先が上がっていないといけませんが、そうなっていない。つまり、つま先を持ち上げる筋肉が働いていないので転ぶのです。理由は2つ。歩く機会の減った現代人の運動不足で筋肉が弱っていること。もう一つが、足の根元の足根骨の障害です。過去のスポーツで痛めた障害の場合もありますが、多くは靴が合っていないことから起こるケース。普段はできる限り薄く柔らかい底のよくしなる靴を選んでください。また、足根骨の故障からふくらはぎの筋肉の動きが悪くなると、血液の循環も悪くなり、足のむくみにつながりますし、土踏まずがつぶれるとバネの働きがなくなり衝撃を膝や腰、股関節で受けて痛むこともあるので早期治療やケアが必要です。
子どもの側弯症
“背中にものさし”など畳生活の時代には子どもの姿勢を注意する方も多く見られましたが、椅子文化の現代は、姿勢に気付かなかったり、気にしない方も増える傾向。皆さんは最近の子どもに多く見られる“側弯症”をご存じですか? これは、背骨がゆがむ病で原因の多くは「悪い姿勢」。症状は非構築性と構築性の2つに分かれます。非構築性の場合、背中を丸めて診る側弯検査では判定できませんが、普段はズレにより背骨が曲がった状態になっています。また「まだ3歳なのになぜ背骨がゆがんだの」などの質問もありますが、この原因の多くは出産。産道を通る際や、吸引の際に頚椎や頭蓋骨を歪めるのはとても多いケースです。ここまでは施術で完治も可能。ですが、奇形や構造上の問題なども含め構築性の場合、外科手術や身動きが取れない矯正コルセットを使用するケースもあるほどで、進行を止める、痛みを和らげる、症状を軽減する施術は可能ですが、完治はできません。また、注意すべきなのは非構築性も放っておくと構築性になることもあること。それだけに成長期を迎える前の早期治療が重要なのです。
東洋医学を究めるために…
「最新のカイロ技術で“脳への刺激”は大変重視されています。例えば、耳が聞こえにくい人に背骨を施術するのは、背骨と耳の神経が直結しているからでなく、背骨を触ることで脳へ刺激を送り、耳へと伝える仕組み。カイロの治療手段の“刺激”という観点で、経絡(体内の気の流れる道)にある経穴(ツボ、痛みや痺れなど故障箇所への窓口)に刺激を加える鍼治療も用いて、より施術の幅を広げたいと考えます」と院長・岡さん。
現在同氏は鍼灸師国家資格取得に向け、3年間の通学に。そのため診療時間や休診日が大幅変更されますが、取得後は皮内鍼など、帰宅後も効果を持続できる施術が手がけられるそう。また、福祉の現場にも効果的に利用したいといった強い思いも持たれています。
自律神経の大切さ
来院者の多くの方が「自律神経の故障」を持っています。患者さん自身、最初は理解していませんが、手足の痺れや体の痛みの原因となっていることが多いものです。寝台で足を持ち上げ、離しても下ろせないのが特徴。自律神経の交感神経が過剰に働き、力の抜き方が分からない状態で、例えると大舞台での極度の緊張と同様です。交感神経が過剰に高まった時に出やすい症状は不眠、便秘、高血圧、肩こりなど。反対にリラックスする副交感神経が過剰に反応した時は偏頭痛、下痢、喘息、アレルギー、尿漏れなどが起こりやすい症状です。交感神経が高い方の簡単な対処法は、急激にリラックスしないこと。仕事から帰ってもいきなりホッとするのではなく、楽しめる趣味などでワンステップ入れてください。
冬場の肩こり対策
どんどんと寒さが身にしみるこの季節。肩こりで来院される患者さんも多くなります。特に冬場の肩こりで悩まれる方は、季節的な問題の“体が丸まる”ことに大きな原因があります。首の下から肩、背中の下まで広がる大きな僧帽筋が、肩をすくめることで、常に使われ筋肉痛に。筋肉が腫れ、毛細血管の循環が悪くなり酸欠状態に。そして痛みとなるのが肩こりのメカニズム。また、体が丸くなると重心が前になり、首が突き出た状態に。そのままでは地面しか見えないので、アゴを上げておかなければなりません。すると首の後ろがこります。肩甲骨と背骨の間の「ケンビキがこる」ともよく聞きますが、同様に肩が上がり肩甲骨が外に開き菱形筋にストレスがかかって起こる症状です。丸くなるのは寒さだけでなく、パソコンを使う仕事の方などにも言えるので注意してください。ひどくなると首の前側の斜角筋が腫れ、その間を通る神経や動脈を圧迫し、手のしびれやむくみ、冷えとなる胸郭出口症候群になる可能性があります。治療が必要となる前に、予防法としてはまず姿勢を正しくすること。寒いと筋肉が縮みやすいので体操やストレッチ、体を温めることも良いでしょう。揉む・押す・たたくは絶対にダメですが、さすったり筋肉を揺らす乾布摩擦はとてもお勧めです!
健康の条件
プロの中でも第一線で活躍する一流のスポーツ選手。そのずば抜けた素質や並々ならぬ努力は一般的によく挙げられています。ですが、それ以上に一流の条件として最も大切とされているのが“故障しない”ということ。普通では考えられないレベルで筋肉や関節を動かしても壊れないといった先天的な条件もありますが、怪我をしないために彼らは日々体に気を配り、メンテナンスすることを怠りません。それは一般の方にも当てはまること。例えば、椎間板ヘルニアが完治した後、放ったらかしの人と、再発しないように定期的にメンテナンスしている人を比べた場合、前者が半年後で再発が8割、後者だと3年経っても再発はほとんど無しといったデータも学会で報告されています。特に“仕事上重い物を持つので、治ってもまた症状が出る”といった生活習慣病の方やご高齢の方は気を付けてください。体に気を配り日ごろからメンテナンスをしておくことが、いつも健康であるための絶対条件です。
花粉症とカゼの対策
涙、くしゃみ、せきなど「とうとうこの季節が」と思われている方も多いのでは?「花粉症」はほこりや花粉などが体内に入り体が異物と判断し、体外へと出そうとする過剰なアレルギー反応。なりやすい人のデータとして「胃腸の調子が悪い」「過労・睡眠不足」「栄養のかたより」など約12項目あげられています。それらはすべて免疫力低下に通ずるもの。本来持つ力が弱まると頑張れるものも頑張れなくなります。これは花粉症だけでなく、せきや鼻水が一週間ほど治らない“かぜが長引く症状”にも合てはまること。また、ストレスの多い現代社会において免疫力低下は精神面からも大きく左右されると考えられているので注意が必要。特に生活リズムが不規則な方々は自律神経系統がおかしくなりやすいので気を付けてください。まず第一にこれらの原因として、敵でないものに体が反応するのは抵抗力が弱まっている証拠。直接内臓機能を高める肉体的治療も必要ですが、自律神経の働きを高め、スムーズにする神経学的ケアも大切です。
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ご案内
●初検料1,000円
●施術料(中学生以上)5,000円
(小学生)3,000円
(未就学児)2,000円
※NCA(日本カイロプラクティックアカデミー)
認定カイロプラクター