今の私達にできること…
 今年10月からは公共施設・機関だけでなく、様々な人が利用する施設も補助犬(盲導犬・介助犬・聴導犬)の受け入れが義務付けられるようになります。
 「盲導犬以外に人の役に立つ犬がいるのね!」「犬が嫌いだから障害者になっても補助犬は必要ない」「自分の犬はかわいいだけで十分」「飼えないけど、犬は大好き。一度はそんな賢い犬に触ってみたい」「犬嫌いなので一緒の部屋にいるのも駄目」といった方も、補助犬は障害者にとって車椅子、補聴器、めがねと同じなくてはならない大切な体の一部ということを認識してください。いつも共に居て、心を通じ合わせ行動を共にするのが基本です。
 また、プロにより様々な訓練を受け、厳しい認定資格を得た補助犬達をどんな優秀なペットとも混同してはいけません。働く資格をもった犬達です。定期的な健康チェックを欠かさず受け、心身共に日々がんばっている優秀な犬達ですが、優秀な社会人にも、仕事中に関係ないことを勝手に話し掛けたり、触ったり、じりじろ見たり、あえて気が散る状況を作るのはとんでもありませんね。豊かな心を持った犬達なので、どうぞ働きやすい環境を考えてあげてください。どんな方にもできることはあります。例えば子どもと接する方は、他のペットの犬から事故を防ぐ意味でも、仕事中の犬(補助犬)に触れたり、声を掛けたり、じっと見ないことを教えてください。犬を飼っている人は、子ども達に「触りたい」と言われたら、飼い主の許可を得て触る事や犬の正しい触り方を教えてください。触られたくない犬がいても当然です。そんな時があるのも教えてください。
 今後はやがて好き・嫌いを問わず、障害者が自分の意志で動くのに介助犬と一緒に居るのが自然な社会になるでしょう。そんな日に向けて、今の私にできることは動物達の健康を守るだけでなく、犬の行動面、精神面などの理解を、犬を飼っている方、そうでない方両方に少しづつ広めることだとも思っています。犬全体のレベルを上げることは補助犬がより自然と社会に受け入れられ、そして彼らを必要とする障害者の行動範囲が拡がることにつながると思っています。障害は明日にでも我が身に起こる可能性のあること。それを私に身近に感じさせてくれた補助犬達に感謝しています。今年もできることから。さあ、あなたも何か始めてみませんか? 

ペットの検査は?
 「ペットも血液検査ができるの?」と驚く飼い主の方は昔に比べ随分減ったように感じます。もちろん、何でもすぐ検査ではありません。病気の診断では、まず飼い主さんの話を聞き、見て・触る聴診が何より大切。その上で必要に応じ、その場で血液・尿・便の検査だけでなく、レントゲン、心電図、皮膚・尿・耳などの細胞の顕微鏡検査も行います。また、癌などの病理検査やホルモン測定、アレルギーetcの特殊な検査は、動物専門の検査センターで。必要な場合は、レントゲンの造影検査や内視鏡、超音波検査などが加わる場合も。ご存知の方もいると思いますが、CTやMRI検査、癌の放射線治療もできます。ただし、それらは麻酔なしでは不可能なので、人間の健康診断のようには行いません。また、検査する所も遠い場合が多く、検査担当の獣医師に何回も連絡を取るだけでなく、私たちホームドクターが付き添う必要がある場合もあります。
 例えば歯の検査では見るだけでは限られるため、検査器具を使用する場合、人間でも痛みを伴うことも多く、また、より良く検査するための歯のレントゲン検査も麻酔なしではできません。そこで全身麻酔をかけるため動物の場合、歯の検査に続いてそのまま治療も1回で終わらせる事がほとんどです。また、犬や猫は人の5倍歯周病になりやすい上、早期発見できる事が少ないため、ひどくなっている子が多く、歯茎や顎の外科手術が必要な場合もあります。麻酔をためらう飼い主さんも多いですが、無麻酔でペットを抑えストレスをかけることは、皆さんの想像以上に危険。麻酔やその管理方法は以前よりずっと安全性が増しています。それらの進んだ検査の目的は、ペットにより良い治療が受けられる可能性がある場合です。
 犬や猫の1年は人の4年に相当すると言われます。自覚症状が早めに伝えられない6歳以上の子は、せめて年に1回、血液検査や尿検査を受けるようにすると良いでしょう。

子どもと動物
 最近「子どものために動物を飼いたい」といった相談をよく耳にします。そして、飼われてから「子どもの犬なのに世話は私ばかり」と話される方も多いです。世話してもらえなくて逆にとても良かったです。特に犬は決して子どもに任せられる動物ではありません。たかが散歩・食事・遊びでもペット達にとっては大切な教育のシーン。基本的に大人が子どもと犬双方を指導することが大切です。仔犬の時期に不適切な接し方をすると、子どもの手を噛む遊び癖がつき、成長して大人になっても噛み続けるパターンになることも。ペットを飼う時は自分の子どもが1人増えた感覚で大人がしっかり責任を持ち家族とペットが互いに尊敬し合える状態まで管理するのがマナー。犬などを飼う予定のないお家でもよその犬の触り方や危険な犬が寄って来た時、やり過ごすなどの対処法を子どもに教えることも大事です。犬との接し方を学びたい学校がありましたらご連絡下さると、時間の許す範囲でお教えします。また、ペットを飼う時は、かわいいからや子どものためにといった感情は二の次にして、家族皆がどうしても飼いたい気持ちの元、共に15年は一緒に暮らすことを想定し、各々のライフシーンに合った動物を選ぶのが賢明。例えば在宅時間の短い家なら犬でなくネコやハムスターにされるなど。珍しいペットは感染症について未知なことが多いので止めましょう。また、事前に獣医師に相談したり本などで犬種のルーツを知ることも大切。例えばテリアはねずみを捕獲するために作りだされた犬種。小さいから安心ではなく、各々に本能や習性があることを知ってください。
 知識を持って正しい選び方や接し方ができると家族全員の楽しい未来があるはず。ペットは“しゃべれないからこそ心の友”なので、そばにいるだけで何よりも幸せなことでしょう。



ペットの老齢を考えて・・・
〜介護や死の受け止め方〜

人間も同様ですが、ペットを飼っている方は皆、いつかは介護や死を迎える覚悟が必要。猫や小型・中型犬だと10歳位、大型犬は約9歳が老齢。平均寿命の4分の3辺りが目安です。すでに介護している飼い主さんもいらっしゃるかもしれませんね。症状は人と同じですが、身近に介護施設も無いですし、案外一人で世話するケースが多く「コンサートに行きたいけど、寝たきりの犬を放っておくのは…」と相談されたことも。介護する人がしんどくなると、ペットも困るのは当然。皆でサポートして息抜きできるようにしてください。病院に相談したりペットシッターを利用するのも良策です。そしてペットにも理解が必要。意識はしっかりだけど体がついてこない子はいらいらや夜鳴きも。滑りにくい敷物や歩行補助道具で環境の工夫も大事。また、老いると渇きや温度変化にも鈍感。まめに水分補給、気温のコントロールも必要。ホルモン異常なども出やすく、見た目では病気と分からず老化と間違えることもあります。歯周病で急に肺炎になることもあるので、血液・心電図・歯の定期検診も必要でしょう。他に目や耳の聞こえるうちに手招きでおいでなどをを教えたり、動ける時にできるだけの事をしておくと生活がうまく送れるでしょう。
 また「ペットが死んだ時どうすれば」の質問も。子どもや親友と同じくらい身近にいたペットです。泣く、怒る、罪悪感を感じる、不眠症になることもありますが、全然おかしくないこと。死後2,3週間が一番辛いとされます。周りの方のご理解をお願い致します。市役所の衛生課やペットの葬儀会社に電話されるのも良いでしょう。
 一度ペットと辛い別れをした方が、再び新たな子を連れ「今度はペットでなくコンパニオン(伴侶)として暮らします」と言われ、嬉しかったことがあります。ペットは家族の歴史でもありますね。


ペットのアレルギー、アトピー、外耳炎
 ワンちゃん、猫ちゃんがかゆそうにしているとすぐに「アトピーでは?」と思われる飼い主さんも多いのではないでしょうか。アトピーは花粉やハウスダストなどによるアレルギー性皮膚疾患の一つ。現代人の悩みの花粉症は鼻水や目のかゆみが主ですが、犬や猫はほとんどが皮膚のかゆみとなります。また、外耳炎、足の裏、口の周りだけに症状が出ることも多いです。皮膚のかゆみが起きる原因にはアトピーだけでなくノミ・蚊などによるアレルギー(1匹だけでアレルギーが起こることもあるので今から予防して下さい)や食事アレルギー、細菌・カビ・皮膚の寄生虫などによるものと様々。食事アレルギーは牛肉やミルクなど原因は色々で、皮膚か腸どちらかに症状がでます。そして、原因を探すには飼い主さん方々の観察が頼り。「いつ・何歳から・どの季節になったか」や「どごから始まったか」「ぶつぶつになっていたか」などしっかり見て獣医師に伝えてください。
 また、犬・猫など小動物の耳は複雑で油分の分泌が多い場所。外耳炎になっている割合も人より多いようです。カビ、細菌、アレルギー、寄生虫などが原因で、首のあたりをかいていたら、耳を疑ってください。ひどい外耳炎は中耳炎を患ったり、内耳炎になって平衡感覚を失いまっすぐ歩けなくなることも。また、外耳炎なのに「耳掃除が足りなくって」などの声も耳にしたことがありますが、人間でも耳が病気の時は耳掃除をしないのと同様、絶対に止めましょう。“かゆみが治まったから”と治療や薬をやめるのも禁物です。


ネコの膀胱炎と腎機能不全症
 寒さが苦手な猫にとって冬は特に膀胱炎を起こしやすい季節。食事だけでなく、おしっこが原因になる場合が多いのです。例えば、寒い所や嫌いな素材のトイレだと普段3回行くおしっこが2回に減る場合も・・・。皆さんは「トイレバイキング」ってご存じですか? 現在ではトイレの砂にも紙や砂、木のチップなど素材が様々ですが、嫌いなトイレ素材だと足をつけません。だから、気に入るものを選ばせ落ち着いた快適な場に置いてあげてください。不適切な排尿をなくすことにもなりますヨ。
また、中年以降の猫に多いのが“腎機能不全症”。便秘や水をよく飲むのが初期症状。対処法としては点滴などで脱水を治すのがポイントになります。家では病院にあるような成分の良い缶詰食(マグロや鳥だけでないもの)に切り換えたりするのもおススメ。猫はかつてねずみなどを食べていた肉食動物なので、人肌程度に温め一口サイズにしてあげるのも良い方法です。「食べないから」とあきらめないように。また、猫は汲み置きの水が好きなので、毎日水を替えないで大きめの器にたっぷり入れて脱水を防ぎましょう。そして飲むと誉めて勇気づけてあげることも大切です。また、猫は1歳ぐらいまでに覚えた味が一生好きな味になるので、いりこや鰹節、のりなど結石の原因になるものは与えないようにしてください。犬・猫だけでなく、ハムスターや鳥などの小動物も寒暖差の激しい窓際などに置かないようにしてください。 
※冬場はウイルスの病気も多いので、予防注射を忘れている方は早めに行ってください。


猫を飼われている方へ

だんだん寒くなるこの時期、飼い主さんが忘れやすくなるのがノミ・ダニ・蚊などの吸血昆虫の予防です。秋は虫の活動が最も盛んなので、ノミやネコフィラリア症の予防を忘れないように。また、冬でも快適な部屋だと、ノミが発生しやすいのでちゃんと注意してあげて下さい。
 また、猫に多いのがウイルス病。人も風邪が流行るのと同様、ウイルスがとびやすい季節なので予防注射が必要です。「室内飼いだから」と油断は禁物! 現在猫には4種類の予防注射がありますが、それでも防げない“猫免疫不全症”など3種の怖い伝染病もあります。見た目元気そうでもキャリア(潜伏感染)の場合もあるので注意して下さい。「1匹飼っていて、次に2匹目を」などといった時にはご対面前に検査をおススメします。
 次は口の病気。猫の場合「歯を磨こう」と思われる方は少ないでしょうし、磨いていても口が小さいので奥歯まで見れないケースがほとんど。歯に穴があく病気や口内炎なども多く、3才位から歯の悪い子もいます。まめに口を見てあげたり、年に1回は検診をすると良いでしょう。
 そして、10才を過ぎた老齢の猫。今まで以上によく水を飲んだり、よく食べたりする場合、腎臓病や糖尿病の初期のこともありますので、定期的な尿検査や血液検査が必要です。いつもと違うようならすぐに獣医師に相談されてはいかがですか? 年老うと身づくろいもしなくなるので、爪切りや毛をとかすなどグルーミングのお手伝いもして下さい。
 

ペットの老年病
 昔は小型犬や猫で15・6年、大型犬だと10年と言われていた平均寿命も、今では20歳のペットもよく見かけるようになり、「いつまで共に過ごせるか」と楽しみも増えたでしょう。でも、“ドッグイヤー”で表されるように、人の年齢に換算すると最初の1年で18歳、その後は年に4歳ずつと、私たちよりもはるかに早く歳を取る彼らにとって、老化からくる症状には注意が必要です。
 小型犬や猫は8・9歳ごろから目や歯の障害が出て来やすくなり、後に耳・鼻の症状が出て来るのが多いケース。特に歯周炎などの症状は分かりづらく、進行し、歯のレントゲンなどをとらないと診断は難しいため、1〜3年に1回は必ず歯の診察や治療を受けるようにしてください。また、大型犬は関節炎になる場合が多いので、運動を控えたり、家の中を滑らない床にしてあげたり、立つときに補助してあげたりなど、“人間のバリアフリー”と同様、生活環境の工夫が大切です。最近はサプリメントの飲みやすい関節の保護薬もありますので早めの投与も賢明です。また、ハムスターは3年、ウサギは6〜8年と平均寿命が短いのでより注意してください。
 彼らは私たちと比べ話せない分、皮膚腫瘍や癌、心臓病などの慢性疾患を負っていても気付きにくい場合が多いです。人間と同じように老衰で大往生するペットは少なく、病気が原因になる場合が多いので、「もう歳だから」「見た目元気そう」などの独自の判断で片付けないようにしてください! 人が年に1回は人間ドックなどを受けますが、ペットだと年に1回でも人の4年に1回相当の感覚なので、血液・尿検査や歯石取りなどの定期検診には必ず行くようにして、大事に至る前の早期発見に心がけてください。


熱射病に注意!!
寒さより暑さが苦手な動物にとってこれからはつらい季節。馬などは大量に汗をかき体温を発散しますが、犬や猫、ウサギ、ハムスターなどは暑くてもほとんど汗がかけず、長時間、高温多湿にさらされると「熱射病」になることも。犬の場合は体温が40度以上になり、血液の電解質のバランスなどが崩れ、手遅れになる場合もあります。あえぎ呼吸が止まらなかったり、大量のよだれが出たり、急に体温が上がったままになるのが初期症状です。ハアハアする犬・猫は幾分気付きやすいかも知れませんが、暑さを表現しづらいウサギやハムスターは特に注意。また、熱の代謝の悪い老齢や肥満、心臓の悪い犬、興奮しやすい仔犬、シーズーやパグなどの短頭種の犬も気を付けてください。
 そんな症状がでたら、まず水で急いで冷やして病院へ連れて行ってください。飼い主の方々も、喜ぶからといって暑い日中に散歩に行ったり、炎天下の車内に放っておいたりしないように。夏場はアスファルトでの火傷も多いので、旅行中やむをえず下ろさないといけない場合は犬用のクツも売られています。
 また、湿気が多くなると共に、皮膚病にも注意して下さい。単に“指しゃぶりのクセ”とかん違いされる方も多いようですが、足の裏は特に皮膚炎を起こしやすい部分です。「シャンプーは月に1回」と思い込まずに、皮膚炎の予防や治療に使える病院処方のシャンプーも多種出ていますから効果が出る位、こまめに使用してみられるのも良いかもしれません。


猫もフィラリア症!?
 動物から人にうつる最も身近な病気としてあげられるのが狂犬病。犬、猫、人問わず背骨を持つものはすべて感染します。現在治療法はなく、発生したら致死率は100%。アメリカなどではセントラルパークのアライグマにも発生が報告されています。幸い法律で毎年一回の予防注射が義務づけられている日本では1957年以降発生していません。現在、狂犬病の無い国は、日本、イギリス、オーストラリアなど数カ国だけですが、韓国まで来ているので今後も注意が必要です。
 また、春の狂犬病予防シーズンになると次はフィラリア症の予防。フィラリアは蚊が媒介となる糸状の寄生虫で犬だけでなく、猫にも感染をおこすことがわかり、予防薬ができました。かかると食欲減退、喘息のような咳、体重が減るなどが初期症状。末期は呼吸が早くなり、貧血を起こし、腹水がたまり、血尿が出るなどの症状が出て死亡します。特に猫は診断が難しく、良い治療法もないので予防薬を飲ませることが大切です。近年の温暖化で蚊が増えているので、増えることはあっても減ることはないでしょう。
 これらの病は人にもたらさないためにも「予防」が最も大切です。狂犬病はもちろんフィラリアの予防薬は回虫や鉤虫、鞭虫の予防が出来る物も出ています。春は蚊が出始めて1カ月後の5月位からでも間に合いますが、忘れやすいのが秋口。寒いと思って止めてはいけません。蚊は卵を産むために血を吸うので、11、12月までは気を抜かないよう。フィラリア症は“飼い主のうっかり”でかかることが多いので注意してください。これからも、人と動物がより仲良く暮らしていくために「予防」や「健康診断」は必ずしてあげてくださいネ。

ウサギを飼われている方に
 学校などでよく見かけるウサギ。最近はペットにする人が増えていますが、以前大半は産業動物だったので、ペット歴が浅く、食事の大切さが犬や猫に比べほとんど知られていません。ウサギの病気には歯・胃腸・皮膚がそれぞれ20%、眼が10%、生殖器が5%などと分かれますが、歯と胃腸の病気はほとんど“繊維不足の食事”が原因です。
 ウサギに最も大切なのは“長い繊維”。歯の全体で噛むのが大事なので、奥歯まで届く“乾草”がベスト。粉砕繊維のラビットフードばかりではいけません。また、市販のおやつは肥満になったり、カルシウムの多い物だとウサギには禁物です。すべてが血中に入り、尿結石などを起こす原因になるので与えないで下さい。硬いだけでは歯は擦り減りません。好む順としてはおやつ、野菜、ラビットフード、乾草ですが、与える順はその反対。重さ1対1の割合で乾草と“ソフトタイプ”のラビットフード。ラビットフードはいつもエサ箱に入れないように。時々野菜はおやつにするのもOK。また、外で飼っているウサギにエサをあげる場合、エサ入れのビニール袋を絶対に放置しないで! ウサギは吐けないので、腸閉塞になりますよ。
 他にも細菌感染で悪化する場合も多く、具合が悪かったら早めの処置を。年に1回は健康診断をしてあげてください。 

猫を飼われている方に

 
人が風邪を引きやすいのと同様、ペットにもウイルスが広がりやすいこの季節。犬よりも症状が分かりにくい猫は特に注意が必要です。「猫の鼻カゼ」と呼ばれる猫ウイルス性鼻気管炎や「猫のインフルエンザ」と呼ばれる猫カリシウイルス感染症、白血球が極端に少なくなり一日で命を落とす危険もある猫汎白血球減少症は“猫の三大ウイルス病”。現在では、これらに加えて猫白血病と4種類の病気に対応する予防注射があります。また、猫がよくかかりやすく予防注射ができていない怖い病気に猫免疫不全症、猫伝染性腹膜炎などがあり、症状がまだ出ていない“キャリア”のことも多く、とても怖い病気です。まずは病院で検査を受けておくことも大切です。
 また、「猫に魚・ミルク」等と思われている方も多いようですが、猫に害があることの方が多いのです。ミネラルの多い海産物や高たんぱく質の食事をしていると、尿道に石が貯まる下部尿路疾患や腎不全を引き起こします。小さいときから食べなれたものが一生の食事になりますので、日ごろから総合栄養食のドライフードや缶詰を与えて下さい。また、5、6才以降になると、“慢性腎不全”にかかる場合も多くなります。多飲・多尿などが初期症状ですが、尿毒症になってから気づくのが大抵。中年以降は血液検査や尿検査をしてあげて早期発見ができると食事療法などの対処ができます。又、猫は犬よりも歯周病や虫歯などの病気がとても多いので、歯磨きついでにお口を見て下さいね。

ペットのおかげで…
最近ペットが家族の健康や絆に貢献している例をよく耳にします。今までペットが嫌いでけして触ることなどできなかったお婆ちゃんが、ペットと居ると血圧が下がることから、今ではお婆ちゃんがペットを離さなくなり、一緒について歩くほど大切にされていたり、また、あまり実家に戻らなかった息子さんが犬を飼ったおかげで「お袋だけに任せられない」と頻繁に戻るようになったりなど。アメリカの一地域ではペットのいる高齢者家庭の医療保険が安く設定されている例もあり、人と違って気を遣わずに24時間そばに居てくれるので安心でしょう。心理療法としてアニマルセラピーも注目されています。
 かといって、“動物さえいれば”といった気軽な思いで飼うことや“私が居ないと絶対にダメ”といった家族で一人しか世話をすることができないような育て方はいけません。
 共に正しく接することができると“動物は言葉の要らない大切な仲間”“動物にやさしくできるなら、人にもやさしくなれる”と言われるほど、人間の健康・精神維持に重要な役割を果たしてくれるのです。ですから、車のような機械でもメンテナンスするのと同様、年に一回、特に狂犬病予防前のこの時期にゆとりを持って血液検査や尿検査など健康診断だけはしてあげてください。


植物に注意!!

 近年のアウトドアやガーデニングブームで私たちはより植物と身近になったと思われます。しかし、誤って口に入れたり、その汁がかかるだけでも、時には重い症状のでる植物も身近にたくさんあるのです。
 例えば、スイセンやスズランなどの球根、お墓参りなどでなじみのあるシキミ、新しく見かけるようになったジキタリスやクリスマスローズ、野山や公園で見かけるヤマゴボウの実やチョウセンアサガオ。下痢や吐き気、かぶれから心不全などをおこすことも! なんでも好奇心のある若い動物や小さい子どもは無差別に口にする場合があるので特に注意してください。また、皮膚から吸収するようなナメクジの駆除剤も要注意!! ノミ、ダニなどの吸血昆虫にもこの時期しっかり予防が必要です。ペットがいるおかげで一緒に学習できると思って、自然の怖さを新たに認識することが大切です。


ペットの矯正の話

 犬・猫などの場合、乳歯から永久歯に生え変わるのが生後5、6カ月。永久歯が出てきたにもかかわらず、乳歯が残っていると将来的に歯の咬み合わせが悪くなり、上顎にあたり、口が閉じづらくなることもあります。また、犬の歯は42本、猫だと30本なのですが、おとなになっていても歯が多すぎたり少なかったりはしませんか? そのままだと食べ物がつまり、数年後に永久歯までも歯周病にしてしまうことがあります。早く見つけ、乳歯を抜き治療を施してあげると永久歯を正しい位置に動かせる矯正法もあります。ペットも人も歯の痛みは他人からは、とてもわかりづらいもの。構造的に顎の骨が細く、大型犬でも犬歯と鼻の間が2ミリと、目・鼻にとても近いところなので、早期発見がより大切です。また、心臓病や腎臓病、肺炎などの原因にもなる歯周炎にならないよう歯石の治療も早めにしてあげてください。歯を磨くまではできなくても、せめて日頃から口内のチェックはしてあげてください。


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